『創世記』全体の流れとポイント

神は太陽、月、地球、陸地と海洋、動植物たちを創造する (1:1~25)

神は地上に住む自分の子としてアダムを創造。エデンの管理人とする (1:26~2:15)

悪魔の先導によってアダムは神の権利を侵害。人類は宇宙規模の法廷闘争に巻き込まれる。アダムはエデンから追放される (2:16~3:24)

そして私は、お前と彼、またお前の子孫と彼の子孫とを法廷闘争へと持ち込む。彼はお前の頭を砕き、お前は彼のかかとを砕くでしょう。- 3:15

ポイント
神はここで悪魔の勢力と、この時にはまだ出現していない「彼」つまりキリストを王とする勢力との闘争について言及しています。この闘争の結末についても早々と予告している点もポイントです。

エデン追放後、アダムとエバとの間にカインとアベルが生まれる。しかし二人が成人すると、カインは妬みから弟アベルを殺す。しかしカインへの裁判は保留にされ、人類が増え始める (4:1~26)

アダムからノアまでの系譜。それぞれの生殖年齢と寿命。アダム[130~800 /930才]→セツ[105~807 /912才]→エノシュ[90~815 /950才]→ケナン[70~840 /910才]→マハラエル[65~830 /895才]→ヤレド[162~800 /962才]→エノク[65~300 /365才]→メトセラ[187~782 /969才]→レメク[182~595 /777才]。そしてノアが誕生する (5:1~32)

エノクはまことの神と共に歩み続け、その後いなくなった。神が彼を取られたからである。- 5:24

ポイント
エノクの寿命が365歳と当時の平均からしたら極端に短い理由ですが、パウロによるとそれは「死を見ないために神が彼を移された」からでした。ひょっとしたらエノクは、当時の野蛮な人間たちによる残虐極まりない拷問などにより、残りの数百年を苦しむ可能性などがあったのかもしれません。

当時の人々の寿命が現代の私たちの寿命と比べて非常に長いものであった理由として幾つかの説が提唱されています。その中で個人的に妥当だと感じるものは、① 永遠を前提に創造されていたアダムに近い存在だったこと。② 当時の地球の大気圏は水の層で覆われていたために宇宙からの有害な紫外線や宇宙線を遮断しており、それが人々の長寿に貢献していたというものです。

ちなみに、この大気圏にあった「上方の水 (1:7)」が直後のノアの時代に地表へと降り注ぎ、結果、海洋が地球全体の70%を占めるまでになります。

天に住んでいた神の子たちの一部が反逆して地上へと下り、人間の娘たちとの間で子供を量産する。これらいわゆる堕天使たちによる凄まじい影響力が人間社会へと波及。彼らは人々を悪魔崇拝へ先導することまでする (6:1~6:12; 外典エノク書)

人間社会が暴虐であふれ手がつけられなくなる。神は堕天使たちによって堕落した人類社会を洪水によって壊滅させることを計画。ノアに箱舟を作らせる。先述した「上方の水」を地表へ下らせて大洪水を起こす。 (6:13~9:19)

わたしは、あなた方の魂の血の返済を求める。・・誰でも人の血を流す者は、人によって自分の血を流される。わたし神は自分の像に人を造ったからです。- 8:5,6

重要なポイント
大洪水の直後、神は人類から受けた権利侵害に対する賠償支払いとして「血の返済」を要求します。この点は非常に重要です。この「血の返済の劇」を演じるために古代イスラエルには祭司団が組織され、この「血の返済」を行うためにイエス・キリストは地上へと下り、人の子として産まれ「人類の側から」血の返済を行ったからです。

ノアは大洪水の後、農夫として余生を送る。 (9:20)(続く・・)

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